塩酸・硫酸・硝酸の違い | みくあす化学館

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塩酸、硫酸、硝酸の違い

 

今回は、塩酸、硫酸、硝酸の違いについて。

 

 

塩酸、硫酸、硝酸は有名な強酸ですが、
それぞれ特徴があります。

 

 

酸の強さは同じなので、
それ以外の特徴を見ていきましょう。

 

 

塩酸

 

塩酸は塩化水素という気体の水溶液です。
なので蒸発させるとなくなります。

 

このように、蒸発すると無くなるものは
揮発性(きはつせい)と言います。

 

ぶっちゃけ酸以外の特徴は
あんまりありません。

 

特徴がないのが特徴と言えます。

 

余計な性質が無く
単純に酸として使うときに便利です。

 

 

塩酸の性質は
・強酸
・揮発性

 

 

 

硫酸

 

硫酸は、水溶液ではなく
硫酸という液体の物質です。

 

硫酸を水に溶かすと希硫酸になります。

 

水溶液は希硫酸、
水を含まない硫酸は濃硫酸と言います。

 

 

希硫酸と濃硫酸で性質が違います。

 

 

濃硫酸

 

 

濃硫酸の大きな特徴は脱水性です。

 

ありとあらゆる物質から
水を奪い取る危険な性質があります。

 

なので皮膚についてしまうと
大変なことになります。

 

水分を奪われヤケドのような状態になります。
接触が長いとただれて元の皮膚に戻らなくなります。

 

さらに長時間濃硫酸と接触すると
皮膚が炭になります。

 

こえ〜〜〜!!!

 

濃硫酸は絶対皮膚につけてはいけません。

 

希硫酸なら皮膚についても大丈夫です。
(とはいっても強酸なのですぐ洗いましょう)

 

 

濃硫酸のもう一つの特徴は
不揮発性です。

 

蒸発しません。

 

なのでこぼすといつまでもそこにいます。
全然乾きません。

 

 

 

濃硫酸のもうひとつの特徴は酸化剤になることです。

 

常温の濃硫酸は酸化剤ではないけど
加熱した熱濃硫酸になると酸化剤として働きます。

 

 

なので、熱濃硫酸はさまざまな金属を溶かします。

 

 

希硫酸

 

希硫酸の特徴はあまりありません。
ただの強酸です。

 

 

しいて言うならば、
濃硫酸同様、不揮発性が特徴です。

 

 

希硫酸の場合はほったらかしておくと
水分だけ蒸発していき、
どんどん硫酸の濃度が濃くなっていきます。

 

これが結構やっかいです。

 

 

例えば、布に希硫酸をこぼしても
最初は何も起きません。

 

しかし、水分が蒸発していくと
希硫酸が濃硫酸になっていきます。

 

そうなると布が焦げ始めて穴が開きます。

 

 

なので、希硫酸はほったらかすと危険です。
すぐに洗いましょう。

 

 

ちなみに布に濃硫酸をこぼすと
一瞬で消し炭になります。

 

 

 

 

また、希硫酸は不揮発性なので
濃度が変わりにくいです。

 

もちろん、水が蒸発すれば
濃度が変わってしまいますが。

 

 

塩酸や硝酸は、気体を水溶液にしたものなので
気体が抜けて薄くなってしまいます。

 

一方希硫酸は不揮発性なので
濃度が変わりにくいです。

 

 

なので中和滴定などの
精密な実験につかう酸として優秀です。

 

 

それから、酸化還元反応しにくいのも特徴です。

 

熱濃硫酸は酸化剤ですが、
希硫酸はほとんど酸化還元反応しません。

 

 

なので、酸化還元反応に酸を使うときは
硫酸を使うと余計な反応が起こらなくて済みます。

 

 

実際、強力な酸化剤である過マンガン酸カリウム溶液を
酸性にするときには硫酸を使います。

 

塩酸でやると塩酸が酸化されてしまいます。
硝酸はそれ自体が酸化剤です。

 

 

硫酸の特徴は

 

濃硫酸
・脱水性
・不揮発性
・酸化剤(熱濃硫酸)

 

希硫酸
・不揮発性
・酸化還元反応しない

 

 

硝酸

 

硝酸は二酸化窒素を水に溶かしたものです。

 

厳密に言うと、硝酸という物質であって
二酸化窒素の水溶液ではありません。

 

溶けただけじゃなくてちゃんと反応しています。
3NO2+H2O→2HNO3+NO

 

でも加熱すると二酸化窒素と水に分解してしまいます。
揮発性です。

 

ほったらかしといても勝手に
二酸化窒素と水に分解して蒸発します。

 

 

 

濃い硝酸は濃硝酸、
薄い硝酸は希硝酸といいます。

 

 

そして、硝酸の特徴は
なんといっても酸化力が強いことです。

 

硝酸は酸化剤として使えます。

 

 

濃硝酸も希硝酸も酸化剤になります。

 

 

強酸+酸化剤なので
さまざまな金属を溶かします。

 

AuとPt以外の金属はほぼ硝酸に溶けてしまいます。

 

 

酸化剤として働くとき、
濃硝酸と希硝酸は反応が違うので注意しましょう。
これが非常にやっかいです。

 

 

濃硝酸
HNO3+H++e-→H2O+NO2

 

希硝酸
HNO3+3H++e-→H2O+NO

 

 

濃硝酸では二酸化窒素
希硝酸では一酸化窒素が出ます。

 

 

 

 

以上が塩酸、硫酸、硝酸の違いです。

 

 

金属を溶かす強さは

 

塩酸<希硫酸<熱濃硫酸、硝酸

 

となります。
全部強酸だけど酸化力が強いほうが
金属をよく溶かします。

 

 

取り扱うときの危険度は

 

濃硫酸>濃硝酸>希硝酸、希硫酸、塩酸

 

 

濃硫酸だけは絶対手につけないように。

 

硝酸は手につくと手が黄色くなって
しばらくとれません(キサントプロテイン反応)。

 

塩酸は意外と手についても大丈夫です。
でも強酸なのでついたらすぐ洗いましょう。

 

 

それでは、今回はここまで。

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